中国茶歴20年の私がオススメする烏龍茶の銘柄4選を紹介!

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日本で中国茶と言えば烏龍茶(ウーロン茶)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?

日本で販売されているペットボトルの烏龍茶と言えば、麦茶のような茶色で渋く、少し苦みもある良く焙煎された香ばしい香りのするお茶ですよね?

ですが、本場中国や台湾では渋い烏龍茶なんて飲みません(笑)。

黒烏龍茶なんて更に渋く苦い真っ黒な烏龍茶などもありますが、論外です(爆)。

今回は、中国茶の魅力にハマって20年以上ほぼ毎日飲んでいる筆者が、本場「烏龍茶」の味わいや楽しみ方、一緒に食べると更に美味しい食べ物などについて紹介して行きます。

 

中国茶歴20年の私がオススメする烏龍茶の銘柄4選を紹介!

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そもそも中国では『冷たいお茶』を飲んでいませんでしたからね。

ただ、逆輸入と言うか日本の飲料メーカーが中国に進出し、ペットボトルのお茶(緑茶や烏龍茶)を販売し、若者を中心に売れたので、現在は我々日本人が良く知るあの烏龍茶もコンビニを中心に売っています。

びっくりするのは、緑茶も烏龍茶も良く見て購入しないと、『甘い』んですよね!

「加糖」「微糖」「無糖」の表示があって、良く中国人が購入するのは「加糖」や「微糖」の甘いお茶なんですよ。

文化と言うか嗜好の違いを感じますね。

そんな中、伝統的な中国茶はやはり茶葉を使用して茶器で淹れて飲みます。

この方が、香りも味も一段と引き出され、リラックスを通り越して「陶酔」してしまうほど美味しいですよ。何せ筆者は20年もハマっているのですから(笑)。

それでは、たくさんの種類の中から代表的な美味しい烏龍茶銘柄4選を紹介して行きましょう。

 

日本での烏龍茶はこれ!武夷水仙

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日本でよく売られている私たちが一般的に知る烏龍茶の種類は、ほぼ「水仙」という種類の茶樹だと思われます。

福建省の広い地域で作られていて産出量も多く、安価な茶葉も多いからです。

飲んだ感じも「水仙」(シュイシェン)と思われます。

カテゴリ的には『武夷岩茶』(ウーイーイェンチャ)という種類になります。

本来やや香ばしく深い香りと澄んだ茶色の水色、舌上に長く甘みが残り後味もさっぱりとしているお茶です。

決して渋みや苦みが中心の味ではありません。

ペットボトルのお茶は、どうも抽出時間が長すぎだと思われますね。

また、本来6煎ほど淹れて、毎回違う香りと味を楽しむのを一煎だけにしている為、どうしてもあのような極端な渋みと苦みまで抽出してしまっているのでしょう。

中国茶はイギリス紅茶のように細かく裁断したりせず、大きな茶葉のまま製茶されるので、渋みや苦みよりも『甘味』(旨味)の方が味の中心になります。

茶葉は裁断すると苦みや渋みの成分がドッと抽出されます。

そう、中国で飲む中国茶はどれも甘味(旨味)と香りを重視しているので、日本茶のような「渋みと苦みのバランス」という評価と言うか文化とはかけ離れているんですよね。

また、「水仙」にも高級茶葉が存在し、有名なのは「老叢水仙」(ラオツォンシュイシェン)や「鳳凰水仙」(フォンファンシュイシェン)と言い、少なくとも樹齢30年以上、中には100年といった老木茶樹の葉を使用して製茶される高級茶です。

安価な水仙とは味・香り共に全く別物の味わいを持っています。

どう別物かと言うと、香りは強いと言う訳ではなく上品であり、余韻の香りが長く残ります。

味は甘味がより強く口当たりが丸く、後味に甘味が舌の上により長く残ります。

飲んだ後、思わず深呼吸をしてしまい、一気に気分良くしてくれます。

 

2大銘柄の武夷岩茶と安徽鉄観音を味わう

烏龍茶は中国茶6大カテゴリーのうち「青茶」(チンチャ)に分類される「半発酵茶」です。茶葉自身がもつ自己分解酵素(酸化酵素)によって発酵が30%程度進んだ茶葉なんですね。

茶葉の発酵のさせ方には2種類あり、一つは茶葉に菌を付けて発酵させる「後発酵」と茶葉自身の酸化酵素を活性化させて発酵させる「酸化発酵」です。

烏龍茶の場合は、茶葉を力強く揉むことで茶葉に傷を付け、そこから酸化を促す後者の「酸化発酵」方式で作られています。

烏龍茶の産地は日本人が良く聞く福建省で、古代「ミン」(門構えに虫の字)と呼ばれた国があった地方が今の福建省の辺りになり、北方の「武夷岩茶」(ウーイーイェンチャ)、南方の「安徽鉄観音」(アンシーティエクワンイン)が最も有名です。

 

武夷岩茶

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福建省の北方、奇岩が連なる武夷山、その岩と岩の間の険しい谷や岩の割れ目、窪地などに一、二株程度の茶樹が自生していて、数百の種類の違う茶樹があるそうです。

その中から名叢として4種「大紅袍」「鉄羅漢」「白鶏冠」「水金亀」が清代に定められ、ここから武夷岩茶が隆盛しました。

このうち筆者が飲んだのは「水金亀」以外の3種プラス「水仙」ですが、種類によって味・香りが微妙に違うものの総じた感想として、香りは香ばしくわずかに蘭香を含み、熱湯を注ぐと何とも言えない芳香が部屋の四隅にまで広がります。

とても気分が良くなりますよ。

味は最初から丸くとても甘味が感じられ、鼻腔にも強く香ばしい香りが一気に広がり、甘味が後味になってもずっと舌の上に続きます。

これを中国では【岩韻】(イェンユン)と名付けています。

この独特の「香ばしさ」はどうやって出しているのかというと、ひとえに焙煎に依って出しているんですね。

日本茶にも「ほうじ茶」という茶葉を焙煎した香ばしい茶葉がありますよね。

中国茶の場合はかなり複雑で、数度の焙煎を重ねて香ばしさや甘味を出しています。

軽い焙煎から中程度、重度があり、焙煎時の炭火の温度管理も色々とあり、それを組み合わせて数度の焙煎を行います。

やり過ぎるともちろん焦げてしまってそれまでの製茶が台無しになる為、とっても神経を使う職人技なんだそうです。凄いですよね!

一緒に合わせて食べると美味しいお茶うけは、ナッツ類や種子(ひまわりやスイカ)、栗を使ったコクのあるスィーツのモンブランやナッツを使ったフロランタンなどがとっても良く合い、茶を引き立てます。

料理だと、烏龍茶は脂をよく流す性質があるので、中華料理の炒め物や飲茶、西洋肉料理のステーキやハンバーグ等にも良く合います。

ただし、料理に合わせる場合は、どちらかと言うと料理が主役ですので、最高級茶葉ではなく安価で味・香りともそこそこ強くない烏龍茶の方がお奨めですね。

 

安徽鉄観音

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福建省の中部から南方の「安徽」(アンシー)という地で採れる「鉄観音」(ティエクワンイン)という茶種で、製茶にとても手間暇かけて丁寧に作られます。

見た目はギュッと丸められて縮んでいるのが特徴です。

その昔、安徽の魏飲という信仰深い人が、毎朝、奉山寺の観音様に茶を供えていた所、ある日、寺の裏山で光り輝く茶樹を見つけ、それを栽培して飲んでみると、非常に香りの高い優れた茶であった為、観音様の恵みの茶としてこの名が付けられたのだそう。

筆者が飲んだ感想は、

香りはお茶らしい清々しい香りでやや青草い、水色は緑茶のように薄黄緑色、味はほろ苦さと甘さが共存し渋みは無い。後味には薄い甘味が長く舌の上に残ります。

これを中国では【音韻】(インユン)と名付けています。

一緒に合わせて食べると良いお茶請けは、割りと甘めの強い菓子全般。

料理としては、パンチの有る脂っこい肉料理や四川料理などの辛い料理にも対応でき、料理全般なんにでも合うと思います。

単独で味わうだけでなく、食中茶としても重宝するお茶だと思います。

 

伝説の烏龍茶:大紅袍

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最後に一つ、どうしても触れておきたいのが武夷岩茶で最も有名な伝説の烏龍茶「大紅袍」(ダァホンパオ)です。

武夷山東北部の海抜600M辺りの山肌に、現在は石垣で囲まれて自生している3本の老樹(樹齢約千年)を元樹に、挿し木で繁殖された茶樹から生産されています。

元樹からも毎年少量は茶が作られているそうですが、これは市場に出回る事は無く、研究用だそうです。

さて、「大紅袍」の伝説ですが、皇帝にも献上されていたこの素晴らしい茶葉を有名にしたエピソードを一つ載せておきます。

 

皇帝から名を賜った話

昔々、皇后の腹が突然ふくらんで苦しみ、食べる事も出来なくなった。皇帝は医者を呼んで色々手を尽くしたが良くならず、太子に命じて良医良薬を探させた。

太子は各地を巡って探したが中々見つからず、最後に武夷山にやって来た所で、猛虎に襲われている老人に出会った。太子は剣を振るって猛虎を退治して老人を救った。

老人は感謝して太子を家に招き歓待した。その際、皇后の病の話を聞き、すぐに老人は太子をある崖の中腹に生える茶樹に案内して、「腹がふくらみ苦しい時には、この茶樹の葉を取って煎じ服用すれば、その効果は絶大であると言われている」と話した。

太子はとても喜んでさっそく崖に登り、茶樹の葉をたくさん摘んで皇帝の元へ持ち帰った。

献上された茶を飲んだ皇后は、一杯目ですぐに腹のふくらみに変化が出て、二杯目ですっきりと通じ、三杯目で心も清々しく爽やかになり、その薬効ですっかり病が治ってしまった。

喜んだ皇帝は、この茶葉に詔を発し、「大紅袍」と名付けた。そして、この老人には「護樹将軍」の名を与えたというお話です。

中国の昔話と言った感じですが、宋の時代(14世紀)に出来たそんな伝説が伝わるほど有名なこの茶葉。

筆者もかなり上位の茶葉を飲んでみたところ、実際、武夷岩茶の中で最も香りも味もパンチがあって、且つ繊細な味わいのお茶でした。岩韻も強く、かなり長く舌上に甘さが残り、大変印象的な味わいでした。

 

まとめ

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いかがだったでしょうか?

日本での中国茶の代表格「烏龍茶」(ウーロン茶)について語ってきました。

茶の淹れ方や茶器については、たくさんの茶葉専門店のサイトで扱っていますので、あえてそれらには触れず、茶葉による味わいや逸話、実際どういう食べ物に合うのかといった切り口で紹介しました。

本場の烏龍茶の楽しみは何処までも深く広く、悠久の大地を偲ばせます。

しかし、楽しみ方は人それぞれ。

伝統的な茶器で淹れて雰囲気に浸るも良し、現代風にマグカップや保温カップで手軽に淹れるのもまた良し。

中華料理に合わせるのも良ければ、焼肉や洋食に合わせるのもOKなんです。

飲み方や組み合わせを探すのもまた楽しいですね。

あなたも是非、本場の烏龍茶を手に入れて、自分の楽しみを見つけてみて下さい。茶の時間によって生活が必ず豊かになる事を筆者が保証します(笑)。

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